世界で猛威をふるい続ける新型コロナウィルス。
感染者の数が徐々に減ってきてはいるものの、第二波、第三波が来るとも
言われています。
そのウィルスの治療薬としてヨコ文字の薬名がいくつか挙がっていますね。
アクテムラ、レムデシビル、アビガンなど。
このような薬名を聞くと、「なんでこんな名前なんだろう・・・」
そう思ったことありませんか?
そこで今回は、このなかで日本で開発された治療薬「アビガン」の命名について
調べてみました。
目次
アビガンって何故「アビガン」
薬の命名について知っておこう!
まず、「アビガン」の前に、薬品名ってどのように付けられるのか?について
書いてみたいと思います。
薬品は、基本「T-705」というように、アルファベットと数字の組み合わせで
付けられるようです。
このような薬品オリジナルともいうべき命名は、製薬会社のコードナンバーが
ふられるのだそうです。
最初のアルファベットは、製薬会社の頭文字
数字は、その会社の薬品研究プロジェクトで何番目に作られた化合物になるかを
表わすのがほとんどだそうです。
出典元:https://www.pharm.or.jp/mame/
それに加えて「一般名」と言われる名称があります。
これは、ある医薬品に対して国際的に通用する名称のことで、各国、各社で
勝手な薬品名を使っていると混乱が生じるため、統一させた名称が必要になる
ということです。
我々がよく目にする名前は「販売名」です。
新型コロナウィルスによる重度の肺炎やSARS(重症急性呼吸器症候群)に効く
と言われる(販売名)アクテムラの一般名は「トリシズマブ」と呼ばれます。
また、米国で承認されたばかりの「レムデシベル」
これは、新型コロナの重篤患者に有効な治療薬で、細胞内に侵入したウィルスが
増殖することを防ぐものですが、「レムデシベル」というのは一般名です。
この薬剤は、日本でも特例承認される予定で、国内初、正式な新型コロナウィルスの
治療薬になる見通しなので、販売名が別に付けられるでしょうか・・・
そのあたりはまだ不明です。
このように医薬品の名称は、使われる現場によって変わるのだそうです。
アビガンって何故「アビガン」という名前なの?
アビガン(Avigan)は、日本で開発された薬剤です。
新型コロナウィルスに感染するも無症状、軽傷といった人を対象に臨床研究が
進められており、5月中の薬事承認を目指しています。
厚生労働省によると、4月26日時点、
アビガンは、1,100の医療機関、3,000近い例に投与されているとのこと。
この日本発の薬剤は海外からも注目されており、80ヵ国から提供の要請が来ています。
政府はゴールデンウィーク明けから43ヵ国に無償提供を始めるようです。
出典元:https://www.nikkei.com/
この「アビガン」
まず、英字と数字で表されるオリジナル名称は、「T-705」です。
最初の「T」は、開発元の富山化学を表しています。
そして、705番目に作られた化合物という意味だと思われます。
「アビガン」の一般名は「ファビピラビル」(Favipiravir)です。
前半部分はおそらく、フラビウイルス(Flavivirus)(*1) に対して有効であること、
ピラジン(pyrazine)(*2)骨格を持っていることから来ていると言われています。
語尾の「ビル」(-vir)は、抗ウイルス剤に付けられることになっている語尾です。
HIVなどに効くロピナビル(販売名:カレトラ)などもその例です。
この一般名「ファビピラビル」(Favipiravir)から
どのように販売名「アビガン」(Avigan)と名付けられたのかは
残念ながら確認することができませんでした。
どの薬品も販売名は一般名より短かめの名称になっているようです。
おそらく製造元が覚えてもらいやすいようにと、一般名から響き・聞こえのいい名称に
しているのではないでしょうか。
(*1):フラビウイルス(Flavivirus)
あああ1本鎖のプラス鎖RNAをゲノム(約11kbの大きさ)と するRNAウイルスのこと。
あああこのウイルスに含まれるのは黄熱病ウイルス(YFV )、 日本脳炎ウイルス(JEV)、
あああデングウイルス(DV)などの節足動物媒介性ウイルスです。
(*2):ピラジン(pyrazine)
あああ六員環構造をもつ複素環式芳香族化合物のアミンの一種。
まとめ
「アビガンって何故「アビガン」という名前なの?」と題しているので、
「・・・・だから『アビガン』という4文字名称になった」という内容を期待されたと
思いますが、そのあたり明らかになっておらず、お伝えできずスミマセンです。
わかりましたら、本記事を更新しようと思います。
このアビガン、日本から海外に向けて無償で提供するということは、
全世界で臨床試験をしていこうというものです。
それによって、臨床データを早く集め、日夜、命張ってケアに当たっている医療従事者に
対しても離職や院内感染のないようにアビガンを医療現場において外来でも使えるように
してほしいと思います。