パンデミックとなって世界中で暴れ回る新型コロナウィルス。
オーバーシュートと呼ばれる感染爆発に、毎日、感染者の数は増える一方です。
スポーツ界では、相撲、格闘技、バスケットボール、サッカー、フィギュアスケート等、
様々なスポーツイベントが中止、延期、無観客開催に追い込まれていますが、
プロ野球も元々3月20日だった開幕戦が延期となり、まだ新たな開幕日は決まっていません。
そして、3月27日、そのプロ野球界にショッキングなニュースが飛び込んできました。
阪神タイガース・藤浪晋太郎投手と若手選手2人に新型コロナの陽性反応が出たと!
そのコロナにかかった藤浪投手に出た症状として報告されたのが「味覚障害」「嗅覚障害」
初めて聞くこの障害、一体どんな障害なのか?
そして、もしこの障害にかかったら、どう対処すればいいのか、調べてみました。
目次
コロナ感染の阪神・藤浪投手を襲った味覚障害とは?
阪神タイガースの藤浪晋太郎投手が、新型コロナウィルスのPCR検査で陽性反応に!
出典元:https://news.nifty.com/
今回、感染したのは、藤浪投手だけでなく同チームの20代、30代の選手も一緒に
報告されていますが、藤浪投手は、この2人と3月中旬に知人宅で食事をした際、
ワインやコーヒーの匂いを感じない。
味噌汁を飲んでも味がしない。
異変を感じたということです。
それによりPCR検査を受けたところ、陽性の判定が出たということですが、
この味覚や嗅覚の障害って、いったい何なのでしょうか?
味覚障害は、その名のとおり、通常の味を感じることができなくなる病気。
嗅覚障害は、匂いがよくわかなくなってしまう病気のことです。
今回の新型コロナウィルスは、どうやら脳にある味覚や嗅覚をつかさどる機能に
ダメージを与えてしまうようです。
味覚障害においては、
ただ味がわからないというだけでなく、人は摂取した食物を歯で噛み砕いたときに
食物と唾液が混じり合い、これによって消化を助け、栄養をとることができますが、
脳の味覚機能がやられることで唾液が少なくなり、このような咀嚼(そしゃく)機能が
著しく低下します。
唾液や咀嚼の不足、味細胞の受容体の異常、味覚中枢である味覚野の異常などによって
起こるこの病にかかると、塩辛いものや甘みが強いものをついつい求めるようになり、
食べ過ぎてしまうと、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を誘発する恐れがあるという、
二次的、三次的障害を引き起こす可能性もあるようです。
コロナ感染の阪神・藤浪投手を襲った嗅覚障害とは?
匂いを感じることができなくなる嗅覚障害、
よく「鼻の粘膜」という言葉はよく聞くと思いますが、この粘膜があるおかげで我々は
匂いを感じることができます。
この鼻の粘膜は「嗅粘膜」とも言われ、場所は、鼻の上、奥のほうにある嗅列と呼ばれる
部位に存在していますが、人が空気を吸ったときに鼻腔から入っている匂い分子が粘膜の
腫れやポリープ(鼻茸)などに邪魔されて嗅裂まで到達しないと当障害は起こってしまう
と言われます。
匂いをかぎ分ける力は、年齢、性別、そのときの体調によっても違うそうです。
一般的に、女性の方が男性よりもその力は高いとのこと。
70歳を過ぎると匂いを感じる力は弱くなると言われています。
また、嗅覚障害を起こした人の約半数が、食物の味が変わって感じられる風味障害を、
酷いと食物の味を感じることのできない味覚障害も引き起こすようです。
嗅覚障害を起こす病気には、副鼻腔炎、感冒(風邪)、鼻アレルギー、鼻内形態異常、
頭部外傷、中枢神経疾患があるようですが、今回のケースは、これらの症状が出る前に
新型コロナウィルスが嗅覚を感じる脳を攻撃してしまったということのようです。
コロナ感染の阪神・藤浪投手を襲った味覚・嗅覚障害
かかったらこう対処しよう!
< 味覚障害にかかった場合の対処法 >
◆ 口腔内を清潔に保つ
・食前後のうがい
・食後の歯磨き
・舌のブラッシング: 歯ブラシでもいいですが「舌苔」を取る専用の舌ブラシが良い。
・料理の工夫: 香り、ダシ、香辛料を活かした食事を摂るようにする。
◆ 唾液の分泌を促す
・レモン水や炭酸水でうがいをする。
・水、フレッシュジュースを頻回に口に含むようにする
・人口唾液(以下の画像)を使用して口腔内を湿らせるようにする。
・酢の物や酸味食品を利用する。
・口腔粘膜を傷つけないシュガーレスガム、キャンディを口に含む。
出典元:https://www.amazon.co.jp/
◆ 亜鉛が豊富な食材を取り入れる
味蕾(みらい:舌に10,000個あると言われる軟口蓋にある食物の味を感じる小さな器官)
細胞の新陳代謝を促すために、亜鉛の豊富に含まれる食材を摂取すると良い。
<亜鉛が多く含まれる食品>
抹茶、緑茶煎茶、玄米茶、牡蠣、イワシ、かずのこ、みりん干し、煮干し、タラバガニ、
サザエ、あさくさのり、きなこ、赤色辛味噌、カシューナッツ、アーモンド、イリゴマ、
ココアなど
◆ 食事中の対策
● 食べ物の味が感じにくいとき
・甘味、酸味、塩味など味付けをはっきりさせる。
(ねぎ・大葉などの薬味、カレー粉や七味などの香辛料を適度に利用する。)
・ナッツやクルトンなどを料理に入れて食感を楽しむ。
・だしの旨みを利用し、味に深みを出す。
・食事は冷ましてから食べるようにする。
● 塩味、醤油味などが苦く感じたり、金属のような味がするとき
・塩や醤油は控える(みそ味は苦く感じない人もいるようです)。
・アク抜き・臭み抜き等を行う。
・いろいろな味付けを試して、自分に合う味を探してみる。
(ダシを利かせたり、ゴマなどの香り、酢などを使用する。)
● 何を食べても甘く感じるとき
・砂糖やみりんは料理に使用しない。
(人工甘味料が入っているものを控える。)
・塩、醤油、みそなどで、少し濃いめの味付けにしてみる。
・芋などの自然な食べ物の甘みを楽しむ。
・酢、レモンやゆずなどの酸味を利用する。
● 何を食べても苦く感じるとき
・あめやキャラメル、ガムなどで口直しする。
・野菜のうまみを利かせた汁ものを試す。
・のど越しのよい豆腐や茶碗蒸しなどは食べやすい。
・水分摂取をこまめに行なう。
< 嗅覚障害にかかった場合の対処法 >
嗅覚障害の治療法は、病状の原因に対する各種の治療薬の投薬です。
アレルギー性鼻炎が原因であるならば、抗アレルギー薬を投薬。
また、副鼻腔炎がには、マクロライド系抗生物質などを投薬することで治療を行ないます。
神経性嗅覚障害に対しては、ビタミン剤、ATP製剤、ステロイドの点鼻などがあります。
また、それらの治療と並行して、ステロイド点鼻療法を鼻に投与することによって、
病状の改善治療に役立てられるとのことです。
治療期間は数カ月を目安に行なうそうですが、2~3年して改善することもあるようなので
気長な治療が必要となります。
味覚・嗅覚障害に対する日常生活での工夫としては、
・日々、食卓や食器、盛り付け方を変えて、目で楽しめるようにする。
・楽しい雰囲気で食事ができるような環境作りを考える。
このようなことも対処法としては有効のようです。
まずは、嗅覚障害の初診に適している言われる医療機関を確認して、
専門家と会話することをオススメします。
医療機関サーチは、こちら
ここまで障害に関する説明ばかりで、藤浪投手に触れることがありませんでしたが、
藤浪投手は、2013年にプロデビュー。
3年連続二桁勝利をあげ、将来のエースとして期待されるも、その後は苦難な道を
歩むようになります。
登板時、かなり制球を乱すようになり、勝ち星は一桁止まり。
負け数も多く積み重なるようになってしまい、二軍落ちを経験。
メンタルの問題なのか、その原因はハッキリしていませんが、一軍に戻った今年は
活躍を期待されていました。
そこへきて、今回の新型コロナ感染。
プロ野球選手としては初めてということもあり、球界はショックを隠せません。
これを受けて阪神は、4月1日まで練習を取りやめ、選手やコーチ、スタッフに自宅待機
させているようです。
阪神の球団本部長は、「地域医療の先生方とNPB、各球団と連携を取りながら適切に
進めていきたい。」と話しているとのことです。
まとめ
今回の藤浪投手ら阪神の3選手の症状が、咳や発熱がなく、コロナに感染したということで
非常にやっかいな病原菌であるということが浮き彫りになった感があります。
プロ野球の開幕に関しては、今のところ、4月24日(金)を目指すとされているようですが
どうなるかわかりません。
さらにずれ込むことも考えられるでしょう。
いずれにせよ、いつ開幕しようが、3選手には、焦らず、ゆっくりと回復に努めてほしいと
思います。