静岡県がムクドリの大群に困り果てています。
静岡県の中心地の街路樹をねぐらとして大量のムクドリが棲みつくため、
その鳴き声やフンに住民が悩まされているのです。
そのムクドリを追っ払うために県がとった策があります。
「鷹」です。
鷹をムクドリの大群が止まっている街路樹に向かって放って一気に追っ払う策です。
その鷹を飛ばすのは人間です。
「鷹匠」と呼ばれる鷹を腕の上に乗せ、飛ばし先に向かって放つことのできる専門家。
その「鷹匠」に憧れている人は多いです。
今回は、「鷹匠」になるためにはどうすればいいのか、について調べてみました。
目次
鷹匠になりたい!
ムクドリの大群の棲み処は山ではなく商業地
静岡県を悩ませているムクドリ。
ムクドリは、ちょうどスズメとハトの中間ぐらいの大きさで、
くちばしの色がオレンジ色になっているのが特徴です。
全国に広く分布し一年中見られ、山とかではなく、平地の人里近くに
生息するため、人々の生活圏内でよく見られます。
出典元:https://www.nature-engineer.com/
静岡市役所前から南西に向かって延びるケヤキの並木道「青葉シンボルロード」
ここに夕暮れ時になると、ムクドリの大群が現れます。
束になって飛ぶときは空を黒く覆い、また鳴き声も耳につきます。
ストリート周辺や置かれているベンチには、白いフンがべったりとついてしまい
市民の悩みの種となっているわけです。
これまで静岡市は、ムクドリの嫌がる音をスピーカーから発生させるなど、
対策を打ってきましたが、なかなか有効打とならなかったといいます。
そこで、新たに打った対策が!
それは「鷹」を使っての撃退。
「鷹匠」と呼ばれる鷹を腕の上に乗せて自由自在に飛ばしたり戻したりする
専門家への依頼です。
ムクドリの居場所に鷹を飛ばして、鷹がその木に止まると
ムクドリの大群が一斉に逃げていきます。
おそらく、ムクドリは、そこには鷹がいると思い込むようになって、
その後、その場所には現れなくなるのでしょう。
その「鷹匠」になりたいと思っている人は多いです。
鷹がまるで自分のペットのよう。
飛んだ鷹が自分の腕に舞い降りて戻ってくるわけですからね。
そんな鷹と仲良しになるには、どのような訓練をすればいいのでしょうか。
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正義の鳥を操れるようになる方法
出典元:https://chigai-allguide.com/
どうすれば、「鷹匠」になれるのか。
鷹匠は公的な資格ではあるわけではなく、学歴や年齢制限もなし。
鷹匠の条件が統一的に決まっているわけではないので、
個人で鷹を購入して訓練することも可能です。
その鷹の購入先はというと、
「ブリーダー」と言われる動物の繁殖および改良に従事する人から購入する
ようです。
また、猛禽(もうきん)類と呼ばれる性質の荒い大形の鳥を駆除する会社に
入社して、そこで、鷹匠になるトレーニングを積むという方法もあります。
しかし、個人訓練は、知識を持った専門家から学ばなければなりませんし、
駆除会社は、まだまだ会社自体が少ないようなので、そのような学びの方法は
難しいかもしれません。
一番良いのは、
鷹匠の団体に所属して訓練を受けることです。
その団体ですが、日本には主に、
「ワールドファルコナーズクラブ」
「日本鷹匠協会」
「諏訪流」
といった3つの団体があり、
それぞれの団体の基準に沿って、鷹匠の認定をしているそうです。
その認定を受けるためには、門下生として研修会に参加して訓練を受け、
各団体が主催している試験に合格する必要があります。
しかし、時間はかかるようです。
鷹匠になるには、誰でもすぐに試験が受けられるわけではなく、
試験を受験できるレベルに到達するまでにおよそ3年以上の時間がかかるとのこと。
その間に、鷹匠になるための基本や専門知識を徹底的に師匠のもとで学び、
そして、大切な鷹の飼育も行ないます。
あなたが鷹匠になったら、
鷹は、あなたのパートナーです。
パートナーを飼育するので、飼育する小屋やえさ、日々のトレーニングをする
安全な場所の確保が必要となります。
鷹はストレスに弱い生き物なので、飼育が非常に難しいことを覚悟しておけ!と
教育側は言っています。
出典元:https://www.kyoto-np.co.jp/
その鷹との訓練には
様々なメニューがあるようですが、
そのうちの1つにこのような訓練があるようです。
『鷹を木の枝などに向けて飛ばし、その後、手元に呼び戻す訓練』
「鷹匠」を名乗るには、鷹との間に信頼関係が築けていないといけません。
訓練では、まだ鷹匠と鷹の間に信頼関係ができていないときは、
忍縄(おきなわ)と呼ばれる紐を鷹に繋いで、鷹が一定の距離以上に遠くまで
飛べないようにします。
その後、徐々に鷹が鷹匠を信頼するようになると、
鷹を紐で繋がずに自由に飛ばせても、合図をすると鷹匠の腕に戻ってくるように
なります。
これを鷹匠用語で『渡り』というそうです。
しかし、このような信頼関係は一度築けばOKというものではなく、
繰り返し行ない、一年を通して続ける必要があるとのことです。
鷹匠の仕事、
以前は、実際に鷹が狩りをして、その捕まえた獲物を売ることでしたが、
自然保護が重視されるようになったため、
狩猟に制限がかかってしまったことでやらなくなり、
今は、イベントでの訓練する模様の披露や
ムクドリなど猛禽類を駆除することで鷹の活躍を見せているようです。
まとめ
いかがでしたか。
飛ばした鷹が低空飛行して自分の腕に舞い戻ってくる光景は、カッコいいですよね。
すごく憧れます。
鷹は鳥のなかでも精悍なマスクをしていますし、そんな鳥を自分のパートナーとして
自由自在に操る技術を身につけられるなんて素晴らしいと思います。